Yahoo!ブログではこれが最後の投稿になります。ぎりぎりまで選曲に迷いましたが、最終的にこの曲に決めました。
ヨハネス・ブラームス 交響曲第1番ハ短調作品68
第1楽章 Un poco sostenuto - Allegro
第2楽章 Andante sostenuto
第3楽章 Un poco allegretto e grazioso
第4楽章 Adagio - Più andante - Allegro non troppo, ma con brio - Più allegro
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
ヨーロッパ室内管弦楽団
パーヴォ・ベルグルンド(指揮)
2000年5月11~14日(ライヴ)
バーデン=バーデン
【お薦め】
これは20世紀の録音なのですが、惜しいので21世紀の名盤に入れてしまいます。
第1楽章の序奏は、大編成の大河のような演奏に慣れた耳には軽く物足りなく感じられるでしょう。それでも力強さには欠けていません。この小さな編成ならではの細部までよく聴き取れる演奏に新鮮味を感じるはずですし、暑苦しいブラームスが苦手な人には支持されるでしょう。木管楽器が弦に覆い隠されずきちんと聴こえるのがありがたいです。最近流行りのベートーヴェンの編成ぐらいでしょうか(なお、提示部は繰り返されます)。編成だけではなく、オーケストラがベルグルンドの指揮に必死に食らいついていくようで、緊張感を伴った白熱した演奏になっているのも特筆されます。
第2楽章も各声部が聴き取りやすく、響きはあっさりしていますが感情はたっぷりと込められています。
第3楽章は他の楽章より木管楽器が活躍するのでこの演奏スタイルに合っていると言えます。A'の部分ではこういう曲だったのかと初めて知ったような気分になります。
第4楽章も序奏は重厚感がありませんが、その後の現のピッツィカートやティンパニのロールには緊迫感があります。序奏の第2部もホルンとフルートのバランスが良く、トロンボーンとファゴットのコラール風主題も同様です。第1主題の弦楽合奏も気品があります。ヴァイオリンの対向配置も効果的で、見通しのよさに貢献しています。原典通りなので慣例版に親しんでいる人にはあれ?と思うところも多いと思います。オーケストラの響きは清冽そのもので、清々しくさえ感じられます。コーダも押し出しの強いものではありませんので、ここれは物足りなさを感じるかもしれません。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
マリン・オールソップ(指揮)
2004年
アメリカ合衆国の女性指揮者であるオールソップによるブラームスです第1楽章は(最初は)少しこもり気味の録音が気になりますが、堂々たるブラームスです。意外に昔ながらの重厚感と悲壮感のある序奏で力がこもっています。提示部に入っても同じ(提示部のリピートは有りです)です。全体にこぶしが回っているというか、多くの人がイメージするブラームスらしさが溢れています。細やかな表情にも欠けていません。
第2楽章も重厚な響きでありかつ繊細です。この演奏も従来路線から逸脱しておらず、違和感なく聴けるものでしょう。
第3楽章も名前を伏せて聴かされたら往年の名指揮者の名前を上げそうです。まずは理想的なこの楽章の再現といってよいでしょう。
第4楽章も感想を書こうとすると単なる楽曲解説になってしまいそうな演奏で、このようなスタイルであれば21世紀の名盤としてこれを選ぶ必要もないような気がしてきます。20世紀の録音でお好みの指揮者でどうぞと言いたいほどです。では全くオールソップの録音が取るに足らない演奏かというと、そうでもなく、アルペンホルン風主題をフルートがリピートするところや第1主題の提示などうまいなぁと思いますし、テンポの変化も自然です。ただ、名盤とするにはあと数歩足りないように思われます。(評論家A氏はなぜこれを平成の名曲名盤に推したのでしょうか。)
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)
2007年秋(ライヴ)
ロンドン、パリ
第1楽章は速めのテンポ、オリジナル楽器の響きが心地よいです。オーボエやフルートの物悲しい響きと弦の後の主部はやや速めで推進力があります。21世紀の名盤と題するからにはこのような演奏をご紹介しなければなりません。期待どおりです。ただ速いだけでなく緩急自在です(提示部は繰り返されます)。オーケストラはブラームスらしい内声部が充実した響きで、十分分厚い響きが得られています。ブラームスの交響曲第1番を聴くともなると身構えてしまうのですが、このような演奏であれば大歓迎です。
第2楽章は割とあっさりと進められていきます。主部も中間部もオーボエの独奏が実に美しい。ホルンも第1ヴァイオリンの独奏も夕映えを観るようです。
第3楽章は速めのテンポで弾むようなリズムが愉しいです。
第4楽章の序奏はこの部分に最もふさわしい表現というものがあって、ガーディナーもそこは他の演奏と変わるところがありません。アルペンホルン風のホルンの主題もそれを繰り返すフルートも一般的です。コラール風主題も同様。第1主題は一転して速くなるのではと予想しましたが裏切られ、その後も(面白い節回しがありますが)オーソドックスです。オリジナル楽器・小編成による細部の見通しのよさは言うまでもありませが、あまり意外性がないのはそれを良しとするか判断に迷うところ。ガーディナーをピリオドオーケストラで聴くのであればもっと新しい発見が欲しかったです。もっともガーディナーのベートーヴェンもそんな感じでしたね。準お薦めといったところ。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
バイエルン放送交響楽団
マリス・ヤンソンス(指揮)
2007年10月30-31日(ライヴ)
ミュンヘン,ヘルクレスザール
マリス・ヤンソンスって録音が多いですね。2つの名門オーケストラの常任を務めるだけのことはあります。
第1楽章序奏部はこの曲にふさわしい重厚感に艶を与えたものです。たっぷりと粘った表現がこの曲らしさを十分表現しています。録音も良いと思います。主部もやや粘りつつ堂々たる進行です。期待されるイメージに十分応える演奏といったところでしょうか。さすがバイエルン放送響といったところで美しいアンサンブルを聴かせてくれます。このようなスタイルであれば時おりもう少し厳しい表現がほしいと思うこともありますが、これだけの演奏はめったに聴けるものではありません。
第2楽章は冒頭が息をのむほど繊細な表現であることに驚かされます。マリス・ヤンソンスとはこんなにも懐の深い指揮者であったのかと見直しました。独奏楽器の引き立て方が非常に上手です。
第3楽章も申し分ありません。旋律は豊かな歌に溢れ、デリケートに扱われます。あまりに横に流れすぎるので、もう少しキリッとした表現があってもよいかと思いますが、
第4楽章はやはり序奏が重厚です。アルペンホルン風とコラール風の主題も朗々と二われます。そのあとの第1楽章の美しさと気品を兼ね備えた表現も絶品ですが、これはオーケストラを褒めるべきかも。その後もこの主題は豊かにたっぷりと歌われていきます。ただ、この楽章でももう少し切迫感、ドラマティックなものがあったらなおよかったと思います。全曲を通じて楽観的に聴こえてしまう嫌いがあったのでした。準お薦めです。最後に拍手が収録されています。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
2008年5月25日(ライヴ)
ロンドン,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
近年ますます人気が高まっているユロフスキ(1972年生まれ)が2007年から首席指揮者に就任しているロンドン・フィルとのブラームスです。
第1楽章の序奏は速めのテンポでブラームスの焦燥感のようなものが感じられ、この演奏はいろいろ発見がありそうだと期待が高まります。きびきびとした音楽進行が心地よく、これでもう少し熱いものが感じられたら言うことなしかもしれません。なかなか聴かせる第1楽章でした。
第2楽章は緩急の差を大きく取った演奏です。粘らないので清々しく抒情的です。
(聴きながら作業をしていたので感想を書く手が止まってしまいました。集中集中!)
第3楽章は短いですが私の好きな曲。ユロフスキの指揮は奇をてらったところがなくオーソドックスそのものですが、安心して聴けます。
第4楽章で最も個性的な演奏はヴァント指揮のものだと思っているのですが、この楽章は「型」ができていて、変わったことはやりづらいのかもしれません。アルペンホルン風とコラール風の立派な演奏のあと、やや速めの第1主題、ミュンシュ盤のような熱さを期待したいところです。両翼配置が効果を上げているところもありますが、端正な演奏という域を超えるのは難しいようです。それでもコーダにはこだわりがあり、ユロフスキが一矢報いたという気持ちがします。最後に拍手がありライヴ録音であることに気がつきました。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
2008年10月29日ー11月14日(ライヴ)
ベルリン,フィルハーモニー
【お薦め】【決定盤】
ラトルが満を持して(?)ベルリン・フィルでブラームスの交響曲を録音したときは、いくつかのブログで話題になりました。当時、私も感想を書きましたが、意外なことにおまけのDVDのほうが演奏が良かったという記憶があります。改めて聴いてみます。
第1楽章序奏の充実した響きはさすがベルリン・フィルであり、思わず息をのみました。ここだけで【お薦め】を付けたい気分です。他のオーケストラとは格が違うという気がします。響きだけでなく彫も深いのです。提示部に入ってからも堂々としており、横綱相撲といった感があり、向かうところ敵なしで圧巻です。これほどの演奏が某誌の名曲名盤500でかろうじて1票というのは信じられません。提示部は繰り返されずに展開部となりますが、ラトルが磨き上げたベルリン・フィルのサウンドは究極のオーケストラという気がします。旧EMIの録音も優秀です。どこもかしこも理想的です。
第2楽章もベルリン・フィルのたっぷりとした分厚い弦の響きが印象的です。オーボエをはじめとする各独奏も素晴らしいです。オーソドックスなようでいて彫琢の限りを尽くした表現に魅せられます。ベルリン・フィルの凄いところは、ブラームスの第1交響曲のような自家薬籠中の曲でも緩みがなく全力投球していることです。
第3楽章も重心の低いサウンドで、これ以上ないくらいブラームスらしい演奏となっています。伴奏セクションのキレ・リズム感の良さも特筆物です。
第4楽章序奏の重さ・美しさも理想的です。序奏第2部のアルペンホルン風の主題、コラール風の主題の巧いこと。
この演奏のすごいのは、どこもかしこも素直に受け止めることができるということ。他の演奏はたまに首をかしげたくなる箇所が多かれ少なかれあるのですが、この演奏はちっとも嫌なところがありません。それでいて少しも退屈ではないのです。ただひたすら聴き惚れる演奏でした。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
スウェーデン室内管弦楽団
トーマス・ダウスゴー(指揮)
2011年3月
スウェーデン,エレブルー・コンサートホール
第1楽章序奏は速いテンポで過去のブラームス交響曲第1番像を打ち破ってくれるのではないかという期待が高まります。主部に入ってからもキリッと締まったテンポで、小編成オーケストラならではの明快なテクスチュアが楽しめます。提示部は繰り返されますが、テンポが速いのでもたれません。ただ速いだけではなく緩急差もきちんと設けていますので表情にメリハリがあります。
第2楽章は小編成でも重い響きが維持されています。情に流されない指揮ですが、ブラームスの緩徐楽章の叙情性はしっかりと感じられます。ただ、味は薄めですね。
第3楽章も良い演奏ですが、他の演奏に比べて特に優れている何かがあるというわけでもなく、普通です。
第4楽章序奏は小編成オケならではの軽快なフットワークを聴かせますが、第1主題提示に入ってからはこれまた普通でオーソドックスな音楽づくりです。たまに両翼配置が耳を引きます。もう少し木管楽器等が聴き取れれば新鮮味を感じることができるのですが、録音が助けてくれません。この楽章でもテンポの収縮がはっきりしており、活動的な印象があります。
ただ、全曲を通じての感想は、当初予想したほどではないということでした。好演なのですが。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
2011年2月
「作曲家はスコアに無駄な音は書かない」「スコアに書かれている以上、すべての音が聴衆に聴こえるべきだ」との信念を持っているというスクロヴァチェフスキのブラームスです。
第1楽章序奏はなんて立派な響きなのでしょう。録音も良好で名演の期待が高まります。普段は聞き取れないリズムも聴こえてきます。主部は一音一音を踏みしめるように進んでいきますので必然的に内容が濃い音楽に聴こえます(提示部は繰り返されます)。ただ、だんだんもたれてくるのも事実。指揮者もオーケストラもスコアに忠実なのはよいのですが、もう少し情念のようなもの、ドロドロしたものを聴きたくなります。響きが本当に立派なだけに惜しいと思います。
第2楽章も惚れ惚れとするバランスの良い響きです。第1楽章もそうでしたが、木管楽器がよく聴こえるのがありがたいですし、弦も内声の動きがよくわかります。オーケストラが一体化してひとつの生き物として動いているようです。
第3楽章はゆったりとしたテンポで丹念に演奏されていきます。クライマックスに向けてもう少し加速してもよいと思うのですが、スコアの忠実な再現が第一のようです。
第4楽章上層部は重さと昏さが確保されています。序奏の第2部も厳かな雰囲気がよく出ています。第1主題は予想したより速いテンポで輝かしい印象があります。編成の大きなオーケストラでもこれだけ細部がよく聴き取れるのであればブラームスの交響曲を小編成で演奏する意味はないのではと思ってしまいました。とにかく最後まで「立派な」響きのする演奏でした。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
ロンドン交響楽団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
2012年9月,10月,12月(ライヴ)
ロンドン,バービカン・ホール
2007年から首席指揮者の任にあるロンドン交響楽団を指揮してのゲルギエフのブラームスです。
第1楽章序奏はゲルギエフらしい重厚な音づくりですが、剛柔併せ持つと言ったほうがよいかもしれません。提示部は繰り返されますが、渋い響く重く引きずるような演奏ですが、録音のせいか、それほど熱の入った演奏には聴こえず、ゲルギエフへの期待が多少裏切られた感じがします。けして単調な演奏ではないのですが、どこか客観的です。
第2楽章も水墨画のような響きで多彩ではないところが、ブラームスらしいとも言えます。ただ、なぜいかあまり惹かれず音楽に集中できないのも事実。聴き比べで私がこの曲に飽きてしまったからでしょうか。
第3楽章も端正な演奏です。ゲルギエフはロンドン響の伝統的なブラームス演奏に乗っかって、そこに最小限の自分らしさを付与しているかのように思われます。
第4楽章序奏は予想したほど偉丈夫ではない感じがします。第1主題はイギリスの名門オーケストラらしく端正で気品があります。ただ、ゲルギエフに期待してしまう情熱的な演奏は最後まで聴くことができず、少々物足りなさを感じます。あくまで格調の高さを重視しているようです。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
シュターツカペレ・ドレスデン
クリスティアン・ティーレマン(指揮)
2012年10月(ライヴ)
ドレスデン,ゼンパーオーパー
ティーレマンにはミュンヘン・フィルとの2005年6月ライヴもDGから発売されていますが、これは再録音のほうです。首席指揮者就任の年に録音したブラームス。
第1楽章序奏はなかなか良い感じです。重厚過ぎず軽くなく、これは期待が持てるかもしれません、と思ったのですが、主部に入ってからわざとらしいテヌートやオーバーなリタルダンドが気になります。ティーレマンの演出が見えてしまう(底が浅く感じられる)のです。ただ、オーケストラの響きの美しさは格別です。
第2楽章は第1楽章で感じた欠点が気にならず、ただただ音楽に身を任せていればよいだけの演奏です(と思いましたが今度はアッチェレランドが気になったりします)。
第3楽章も第1楽章と同じような感想を持ちました。わざとらしさが気になるのです。常に、ではないのですが、たまにやると目立ってしまうのです。
第4楽章はやっぱりアルペンホルン風とコラール主題がさすがシュターツカペレ・ドレスデンというところで美しく気高い演奏を聴かせてくれます。第1主題直前の間の長さ、そして第1主題が弱音で開始されるのは意外で、はっとさせられるものがありましたが、その後の音楽づくりは無理に盛り上げようとしているように感じられ、いまひとつ音楽に没入することができないのです。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
リッカルド・シャイー(指揮)
2013年3月,5月
ライプツィヒ,ゲヴァントハウス
【お薦め】
シャイーにはコンセルトヘボウ管との旧全集がありますが、これは2005年からカペルマイスターに就任したゲヴァントハウス管との再録音です。
第1楽章序奏は重厚な響きかつ速めのテンポで攻めの姿勢がうかがえます。ダイナミックレンジも広く(録音は優秀)、最初のクライマックスは圧倒的です。主部も速度設定や楽器バランスが適切でゲヴァントハウス管も鮮烈な演奏でそれに応え、いぶし銀の響きが相乗効果を発揮しています。提示部が繰り返されますが、積極的なブラームスなのでちっとも長たらしく感じません。
第2楽章は演奏による差があまり出にくい曲なのですが、速めのテンポでよく歌う凛々しい演奏となっています。主旋律に対する伴奏が大きめで、全体にリズムを強めに出しているようです。
第3楽章も第2楽章と似た解釈で、弾むようなリズムと溢れる歌心が特徴的です。
第4楽章も積極性に変わりはなく、音楽に推進力があり、情熱的です。壮大なアルペンホルン風主題と敬虔なコラール風主題の対比も見事。第1主題は途中からテンポを速め、緊張感を高めています。それが自然な感興のうちに行われているのが好ましいのです。最後まで熱っぽさを維持しており、聴き応えがあります。この曲の聴き比べも自分の中でマンネリ気味でしたのでよい刺激になりました。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
タピオラ・シンフォニエッタ
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
2016年1月
フィンランド,タピオラ、エスポー・カルチャーセンター
いつもデータを参照させていただいているHMV & BOOKSさんによると「マイニンゲン宮廷管弦楽団とほぼ同じサイズ、対向配置、弦楽パートは徹底したノン・ヴィブラートと、ピリオド・スタイルを採り入れた演奏」だそうで、聴くのが楽しみな一枚(3枚組だけれど)です。
第1楽章序奏はまるでオルガンのような響き。主部は小編成のため和音が寂しいです。よく言えば透明感のある(澄んだ)、さもなければ痩せた(枯れた)響きです。煩くなく威圧的でないサウンドは耳に優しく、第1楽章はこんなにも叙情的な音楽であったかと思うほどです。淡々と音楽は進んでいき、ブラームスの音楽が古めかしく聴こえます。
第2楽章のほうがこの演奏スタイルに合っているかもしれません。ほんのりと暖かい素朴な音楽を聴かせてくれます。
第3楽章は第2楽章以上にふさわしいと思いました。都会的で洗練された演奏が多い中、これは土の香り、草木の匂いがする演奏です。
第4楽章の序奏第1部は軽いです。第2部はそれがあまり気になりません。そして第1主題は速く抑揚を巧く付けながら歌われます。この部分でこの演奏をここまで聴いた甲斐があったと思わされます。
ただ、今回思ったのですが、ブラームスの交響曲第1番はピリオド・スタイルじゃないほうが良いですね!
ブログの移転先
日程はもう少し後になりますが、FC2ブログに移転することを考えています。
検索エンジンに重複を悟られないよう?ブログタイトルは(ありふれた)「クラシック音楽の名曲名盤」に変更します。ハンドル名はもっとカッコイイ名前に変えたかったのですが「ハルコウ」のままで我慢します。
このブログはnemo2さんに教えていただいた
でバックアップをした後、利用停止(削除)する予定です。新しいブログが検索エンジンでヒットするための処置ですので、ご理解ください。
2008年12月7日(日)の開設以来、ご訪問いただいた方に感謝申し上げます。