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Channel: 私が好きな曲(クラシック音楽のたのしみ)
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ムソルグスキー「展覧会の絵」の名盤 1993ー2007

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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
クラウディオ・アバド
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1993年5月、9月(ライヴ)
ベルリン,フィルハーモニー

【お薦め】
ロンドン響との録音から12年ぶり、アバド(1933年-2014年)がカラヤン(1908年-1989年)の後任としてベルリン・フィルの芸術監督に就任してから4年目に録音した「展覧会の絵」です。アバドとってムソルグスキーは特別な作曲家なのですが、私は長い間、この演奏が好きではありませんでした。物足りなさを感じていたのが理由ですが、今回は再評価の意味も込めて聴いてみたいと思います。
ゆったりとして丁寧な「第1プロムナード」、「グノム」はもう少し低弦がほしいですが、リズムが明快でなかなか良いです。繊細で管が巧い「第2プロムナード」、続く「古城」はアルト・サックスが浮いておらず、オケの一員として溶け込んでいます。このソロにたまに違和感を覚えることがありますので、結構重要なポイントです。悠然とした足取りの「第3プロムナード」を経て、「テュイルリーの庭」はテンポの変化が非常に効果的、ソロが巧い「ビドロ」ですが、オケを煽ることもなく、淡々とした足取りです。チャーミングな木管と弦が美しい「第4プロムナード」、「卵の殻を~」はアンサンブルが見事、「サミュエル~」も弦楽合奏が美しく、やはりソロが巧いです。「リモージュの市場」も賑やかで、「カタコンベ」は金管セクションの整ったハーモニー、「死せる言葉に~」は弦がここまで弱音で弾くのは聴いたことがありません。心がこもった音楽です。「バーバ・ヤガー」はベルリン・フィルの威力を聴かせてくれ、「キエフの大門」も感動的な演奏です。
アバドが真摯にムソルグスキーの音楽に向き合っているのが感じられます。アバドに敬意を表して【お薦め】にしようと思います。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
セルジュ・チェリビダッケ
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
1993年9月24・25日(ライヴ)
ミュンヘン,ガスタイクザール

チェリビダッケ(1912年-1996年)とミュンヘン・フィルの「展覧会の絵」ライヴは少なくとも2種類あり、ひとつはミュンヘン・フィル創立百周年記念演奏会の一環として、1993年9月24・25日に本拠地のガスタイクで収録された本盤、もうひとつはHMVのレビュー数が非常に多い1986年10月14日の昭和女子大学人見記念講堂ライヴで、これは未聴です。覚悟を決めてガスタイクザールのライヴを聴いてみます。
「拍手」から始まります。「第1プロムナード」はこれまで聴いてきた中で最も遅いテンポです。ここまで遅くしなければならない意味は? 「グノム」も緩急の差はあるにせよ、遅いですね。瀕死状態のグノムです。テンポが遅いからといって味付けが濃いわけではありません。「古城」はスローテンポが合う曲でもあるので、違和感はありませんが、な浮遊状態にあるような、なんだか不思議な感覚です。「テュイルリーの庭」も遅く、こうした曲だと思って聴けば、これはこれで良いのかもしれません。「ビドロ」も重々しい足取りで、いつまでも見送っている感じです。「卵の殻を~」は意外なことに普通のテンポで驚きます。だからと言って、何がどう変わるものではありません。「サミュエル~」「リモージュの市場」は普通の出来、「カタコンベ」は良い出来です。「死せる言葉に~」も、他の「プロムナード」は遅くて閉口しましたが、曲が曲なので気になりません。「バーバ・ヤガー」は新鮮でした。抑揚を大きくつけた「キエフの大門」もユニークで、音量が控えめな部分は聖歌、賛美歌を聴いているようです。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
ギュンター・ヴァント
ベルリン・ドイツ交響楽団
1995年2月19日(ライヴ)
ベルリン、フィルハーモニー

ヴァント(1912年-2002年)がベルリン・ドイツ響に客演したときのライヴです。くすんだ音色にドイツのオケを感じます。「グノム」は後半のアッチェル(アラルガンド)に驚きます。嵐が去った後の静けさのような「第2プロムナード」を経て、落ち着いた「古城」はしなやかな表現も聴かせます。「テュイルリーの庭」はまどろむような演奏、「ビドロ」は悲劇的行進曲のようです。「卵の殻を~」はこの老巨匠に意外なほど可愛らしい演奏、「サミュエル~」は抑揚をはっきりつけたもの、「リモージュの市場」は爽やか、「カタコンベ」は金管の柔らかなハーモニーが哀愁を帯びており、「死せる言葉に~」も優しい音楽となっています。「バーバ・ヤガー」は効果を追求しないまじめな演奏、「キエフの大門」も時には速めのテンポを用い、すっきりと仕上げています。
曲によってはアンサンブルの若干の乱れもあり、ヴァントの「展覧会の絵」では、より一層練られている北ドイツ放送響とのものを選ぶべきでしょう。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
大植英次
ミネソタ管弦楽団
1996年10月

【お薦め】
大植英次(1956年-)が1995年から2002年まで音楽監督を務めたミネソタ管弦楽団(旧ミネアポリス交響楽団)を指揮しての「展覧会の絵」です。
しっかりとした足取りの「第1プロムナード」で始まります。「グノム」は緩急の変化が見事です。ここ一番の打楽器の強打が迫力を産んでいます。「古城」はやや速めのテンポなのでもたれません。「テュイルリーの庭」は名演、やはり緩急の差が巧みで、柔らかな弦の表現が絶品です。「ビドロ」はレガートな歌が特徴的、「卵の殻を~」の滑稽さ、「サミュエル~」の豊かな歌、「リモージュの市場」の色彩感、「カタコンベ」の荘厳さ、「死せる言葉に~」の繊細さなど、どの曲も素晴らしい出来です。「バーバ・ヤガー」はティンパニ、グランカッサの強打が効いており、爽快な演奏です。「キエフの大門」も品格があり、フィナーレにふさわしい演奏です。
なお、大植英次には2008年の録音もありますが、そちらは未聴です。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
ギュンター・ヴァント
北ドイツ放送交響楽団
1999年2月21-23日(ライヴ)
ハンブルク,ムジークハレ

ヴァント(1912年-2002年)が1991年まで首席指揮者の任にあった北ドイツ放送響とのライヴです。この時、ヴァントは87歳ですよ。
ぐっと色彩を抑えた感じの落ち着いた「第1プロムナード」で、「グノム」は独特なアーティキュレーションが興味深いです。「古城」はサックスの音色により異国情緒が漂う感じで、弱弦の響きと歌が切ない秀演です。「テュイルリーの庭」も素朴で優しく、「ビドロ」はクライマックス前後の音楽づくりが巧みと思います。「卵の殻を~」は意外なほど若々しく瑞々しい表現で、「サミュエル~」にもありきたりの表現に陥らない工夫があり、「リモージュの市場」もテンポが速いうえに色彩的、「カタコンベ」も強弱変化が上手で、最後のタムタムの一撃も効いています。「死せる言葉に~」も心がこもっています。ティンパニの強打がめざましい「キエフの大門」はしっかりと弾かせ、弱音の時の音裁きも丁寧です。「キエフの大門」でもテンポを落とさず、最後まで意思に強い音楽づくりなのが立派です。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
小林研一郎
日本フィルハーモニー交響楽団
1999年8月22日(ライヴ)
東京,サントリー・ホール

小林研一郎(1940年-)が当時常任指揮者(現在は桂冠指揮者)を務めていた日フィルとの「展覧会の絵」です。今回の聴き比べでは国内オケ初(にして最後の)登場です。
「第1プロムナード」ではソロに不安がありますが、まずまずの出来、早速指揮者のうなり声が聴こえてきます。「グノム」は素晴らしいです。曲を知り尽くしている者の表現でしょう。「第2プロムナード」は安定しており安心して聴けます。「古城」すっきりしたテンポの中に詩情が漂いいます。「第3プロムナード」「テュイルリーの庭」も良い出来で、後者の繊細な表現が良いです。「ビドロ」もしっかりした演奏で重厚さがよく出ています。「第3プロムナード」も美しく、「「卵の殻を~」も快速テンポで鮮やか、うなり声が目立つ「サミュエル~」は最後にソロの人が大変そうで、「リモージュの市場」はもうちょっと引き締まっていると尚よかったかもしれません。「カタコンベ」の金管、「死せる言葉~」も良い出来です。「バーバ・ヤガー」「キエフの大門」もなかなかのものでした。炎のコバケンの健闘と日フィルの熱演を讃えるべきでしょう。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
ヴァレリー・ゲルギエフ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2000年4月28~30日,12月22日(ライヴ)
ウィーン,ムジークフェラインザール

【お薦め】
意外に少ないウィーン・フィルによる演奏で、ゲルギエフ(1953年-)の数種類のうちの最初の録音です。「グノム」でも、ウィーン・フィルの弦は魅力的です。曲の最後の迫力がすごいです。「古城」も優美でしなやかな、弱音が美しい演奏です。「テュイルリーの庭」も柔らかい弦が絶妙です。「ビドロ」は重厚ではありませんが、ソロも巧く、ウィーン・フィルの艶やかな弦が美しいです。「卵の殻を~」は今まで聴いた中で最速かも。いくらなんでも速すぎると思いますが、これをきちんと演奏できるオーケストラが素晴らしいです。「サミュエル~」はトランペットが巧く、ゲルギエフの語り上手な指揮も見逃せません。「リモージュの市場」も最速の部類で驚きます。「カタコンベ」の金管はとても力強く、「死せる言葉に~」も美しい演奏です。ゲルギエフ指揮ということで期待してしまう「バーバ・ヤガー」は想像どおりの凄まじい演奏で、ロシアのオーケストラだったらさらに豪快なのでしょうか。そのままなだれ込む「キエフの大門」もすごい迫力で期待を裏切りません。個性的な指揮ですが、普通の名演に飽き足らない人に【お薦め】です。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
シルヴァン・カンブルラン
バーデンバーデン・フライブルクSWR交響楽団
2003年12月31日
バーデン・バーデン,祝祭劇場

フランスの指揮者、カンブルラン(1948年-)が、バーデンバーデン・フライブルクSWR交響楽団の首席指揮者であった頃の録音です。なお、カンブルランは、2010年4月から読売日本交響楽団の常任指揮者、2012年からシュトゥットガルト州立歌劇場の音楽総監督を務めています。
「グノム」は良いテンポですが、低弦がおとなしい感じがしますね。過度な思い入れを廃した客観的な表現のようです。「古城」もスマートでプロポーションの良い演奏です。「テュイルリーの庭」は最初はとても速いです。中間部はぐっとテンポを落とします。「ビドロ」もきびきびとしたテンポで、最速の部類でしょう。あっという間に通り過ぎていく感じです。ゆったりとした第3プロムナード」と打って変わって「卵の殻を~」も快速テンポです。カンブルランは楽器のバランスを保つのが上手で、精巧な機械による演奏を聴いているみたいです。「サミュエル~」はトランペット・ソロのバックで演奏している木管を浮かび上がらせているのが新鮮です。「リモージュの市場」はラヴェルの編曲を最大限に生かした演奏、「カタコンベ」は金管のハーモニーが濁って聴こえますが迫力はあります。「バーバ・ヤガー」は打楽器の強打もあり、意外な迫力です。それまで抑えていたものが全開になったようで、中間部はやはり楽器のバランスに注意を払った演奏です。「キエフの大門」も同様で壮大な音の伽藍を聴く思いがします。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
ズデニェク・マーツァル
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
2007年1月18・19日
プラハ,「芸術家の家」ドヴォルザーク・ホール

アンチェル(1908年-1973年)の名盤以来のチェコ・フィルです。指揮者のマーツァル(1936年-)は、2003年にチェコ・フィルの首席指揮者に就任しましたが、2007年9月8日に退任しています。ずいぶん短かったのですね。
「グノム」は打楽器を抑え気味ですが、この曲の不気味さ・怪奇さは表出されています。「古城」は色気の無いサックスですが、これはこれでよいかもしれません。指揮も速めのテンポで淡々と進めますが、詩情はあります。「テュイルリーの庭」も抒情的な演奏で、「ビドロ」も録音のせいか、打楽器は割と抑え気味ですが、それなりに迫力はあります。
「卵の殻を~」は愉しい演奏で、チェコ・フィルの木管と弦の特長をよく活かしています。「サミュエル~」「リモージュの市場」「カタコンベ」「死せる言葉~」は水準の出来、かな。しかし「バーバ・ヤガー」は羊の皮をかなぐり捨てて本領発揮といわんばかりの迫力です。「キエフの大門」も良い出来ですが、全体として標準的な演奏に留まっているように思います。
なお、マーツァルがニュージャージー響を指揮した1996年録音は未聴です。


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ムソルグスキー「展覧会の絵」
 第1プロムナード(D.W.オコーア編)
 小人(S.ゴルチャコフ編)
 第2プロムナード(W.ゲール編)
 古城(E.ナウモフ編)
 第3プロムナード(G.V.コイレン編)
 テュイリーの庭(G.V.コイレン編)
 ビドロ(V.アシュケナージ編)
 第4プロムナード(C.シンプソン編)
 卵の殻をつけた雛のバレエ(L.カイエ編)
 サミュエル・ゴールドベルクとシュミイレ(H.ウッド編)
 第5プロムナード(L.レオナルド編)
 リモージュの市場(L.フンテク編)
 カタコンベ(J.ボイド編)
 死せる言葉による死者への呼びかけ(M.ラヴェル編)
 バーバ・ヤガー(L.ストコフスキー編)
 キエフの大門(D.ギャムレイ編)
レナード・スラットキン
ナッシュビル交響楽団
2007年6月21日(ライヴ)
ナッシュヴィル

スラットキン(1944年-)は、「展覧会の絵」が大好きなようで、15編曲の組み合わせという、需要があるとは思えない録音をしています。セールス的にどうだったのか気になるところです。
「第1プロムナード」のオコーア編は最初シンセサイザーによる演奏かと思いましたが、面白い編曲で一聴の価値ありです。「グノム」のゴルチャコフ編についてはマズアの録音で述べたとおりで、ラヴェル編を色濃く残したものです。ゲール編の「第2プロムナード」は室内楽みたいです。ナウモフ編の「古城」にはピアノまで登場します。コイレン編の「第3プロムナード」もラヴェル編によく似ていますが、「テュイルリーの庭」は少し違います。アシュケナージ編の「ビドロ」も編曲者自身の指揮による録音で紹介済みですが、原典をアシュケナージなりに解した名編曲だと思います。シンプソン編の「第4プロムナード」はハーモニーが面白く、カイエ編の「卵の殻をつけた雛の踊り」は親鳥と雛鳥を表現しようとすると、こうならざるを得ないというところでしょうか。ウッド編の「サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」はずいぶんシンプルな音楽と思ったら、冗談のような編曲でびっくりします。レオナルド編の「第5プロムナード」は華やかなもの、フンテク編の「リモージュの市場」もセーゲルスタム盤で述べたとおりで、ラヴェル編を下敷きに色彩的に直したようなもの、ボイド編の「カタコンベ」は金管に打楽器を加えており,壮絶です。「死せる言葉による死者への呼びかけ」は聴き覚えがあると思ったらラヴェル編でした。一番目立たない曲に最も有名なラヴェル編をあてたというところでしょうか。そうした中にあってストコフスキー編の「バーバ・ヤガー」は独自性を強く打ち出しており、すごいと思いました。ギャムレイ編の「キエフの大門」は合唱やオルガン(ペダル音を加えるのは昔からありました)まで加わります。最後は(それを書くとネタバレ?)。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
小林研一郎
アーネム・フィルハーモニー管弦楽団
2007年12月3-6日
アーネム,ムシス・サクルム,コンサート・ホール

小林研一郎(1940年-)が常任指揮者を務めるアーネム・フィル との録音です。「第1プロムナード」を聴いた限りではアーネム・フィルは普通のオーケストラのように思われましたが、「グノム」では低弦が速いテンポについていけていない感じがします。とはいえ、この曲は良い出来です。指揮台を踏みならす音やうなり声も聴こえないですし。「古城」は丁寧な演奏です。「テュイルリーの庭」も良いテンポです。「ビドロ」はゆったりとしており、次第に盛り上げていく過程が素晴らしいです。弦バスを大きめに弾かせているのも良いです。「卵の殻を~」も好演、「サミュエル~」は水準の出来です。アーネム・フィルは技術は高くないと思うのですが、それが初々しさを感じさせます。「リモージュの市場」も最後のテンポはこれが限界なのでしょう。「カタコンベ」「死せる言葉に~」はまずまずの出来です。さすがに「バーバ・ヤガー」「キエフの大門」になると、危なっかしい箇所もあり、また、もう少し洗練された音色を求めたくなります。


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「展覧会の絵」(ラヴェル編)
サー・サイモン・ラトル
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2007年12月29-31日(ライヴ)
ベルリン,フィルハーモニー

【お薦め】
少々意外なことに、ラトル(1955年-)の初めての録音になります。さすがにベルリン・フィルは巧いです。「プロムナード」は総括しますと、いずれも非常に水準が高く、これ以上望むものはないという出来映えです。「グノム」は申し分のない模範的な演奏、「古城」はアルト・サックスが美しいです。きっとそれなりの人が吹いているのでしょう。弱音の弦も驚くほど美しいです。「テュイルリーの庭」はアーティキュレーションが美しい演奏です。「ビドロ」はカラヤン盤同様、ソロが小さな音で出てきます。これは難しいのでは? 艶やかな弦が美しく、少しあっさり気味ですが、ラヴェル編がそのように書かれていることもあり、これはこれで良いと思います。「卵の殻を~」はベルリン・フィルの妙技を楽しむことができ、「サミュエル~」も2人の登場人物の性格分けが上手です。「リモージュの市場」も胸のすくようなアンサンブルで、「カタコンベ」も優秀な金管陣に惚れ惚れです。「死せる言葉に~」もようやく聴こえるほどの最弱音で始まる美しい演奏。「バーバ・ヤガー」はこのオーケストラらしい機動性と重厚な音色をを聴かせてくれます。「キエフの大門」も同様です。
幾分あっさりとしているという印象もありますが、飽きの来ない名演というのはこのような演奏を指すのかもしれません。



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