ジョルディ・サヴァール 無伴奏の夕べ
2013年9月13日(金)19:00開演
銀座 王子ホール
ジョルディ・サヴァール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
●祈り
K.F.アーベル:前奏曲
J.S.バッハ:アルマンド(無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV1011より)
J.シェンク:アリア・ブルレスカ
●哀惜
サント=コロンブ2世:ロンドー形式によるファンテジー
サント=コロンブ:涙
作者不詳(フランスのブルターニュ地方):哀歌「ああ、思い出して」に基づく変奏と即興
J.S.バッハ:ブーレ(無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV1010より)
●人間の声
ドゥマシ:前奏曲 ニ長調
M.マレ:人間の声、ミュゼットI-II、跳躍
********** 休憩 **********
●「音楽の諧謔」
トバイアス・ヒューム:戦士の行進 / ヒューム大佐のパヴァーヌ&ガリアルド
聞け、聞け / 戦士の決意
●「リラ・ヴァイオルのためのレッスン集」
A.フェラボスコ:コラント
T.フォード:ここでいいじゃないか
J.プレイフォード:鐘、サラバンド へ長調
●作者不詳(1580年頃):バグパイプ・チューニング
ポイントあるいは前奏曲 / ランカシャー・パイプス / ラムゼイの豚
一杯のお茶 / バーディーのケイト / おもちゃ
******** アンコール ********
作者不詳:アバーゲルディ城セット(モイラ卿セット)より
作者不詳(フランスのブルターニュ地方):哀歌「ああ、思い出して」に基づく変奏と即興
マラン・マレ:ミュゼット ト長調
ジョルディ・サヴァール(Jordi Savall, 1941年8月1日 - )で検索するといっぱい出てくるCD(SACDのほうが多い)の数々。(前回の記事でも,ジョルディ・サヴァール&ヴィーラント・クイケンのCDが登場しています。)
いつかサヴァールの生演奏を聴いてみたいと思っていたのですが,ついにその日が訪れました。
本当は,サヴァール指揮のエスペリオンXXI か,コンセール・デ・ナシオンを聴いてみたかったのですが,今回はサヴァールによるヴィオラ・ダ・ガンバの独奏です。
一週間の仕事で疲れている金曜日の夜なので,途中で寝てしまうのではないかと心配でしたが,最後まで夢中になって聴いてしまいました。
演奏が終わってから聴衆にお辞儀するサヴァールの神々しいことといったら!
しばらくの間,弦楽器のソロ・コンサートでこんなに感動することはありえないと思ったくらい。
ジョルディ・サヴァールはバルセロナ県の都市イグアラダに生まれた。6歳で地元の少年合唱団に参加して音楽を始め、バルセロナ音楽院でチェロを学ぶ。1964年に同音楽院を卒業すると翌年独学でヴィオラ・ダ・ガンバおよび古楽を学んだ。1968年よりバーゼル・スコラ・カントルムで研鑽を積み、73年に師であるアウグスト・ヴェンツィンガーを継いで後進の指導に当たった。
今日の音楽界における傑出した人物として知られ、奏者およびディレクターとして過去30年以上に渡り調査、研究、そして解釈に力を注いでいる。忘れ去られていた音楽の宝物を再発見することに献身し重要なレパートリーを復元、ヴィオラ・ダ・ガンバ音楽のファン層を広げている。また、古楽声楽家モントセラト・フィゲラスと共に3つのアンサンブル―エスペリオンXX、ラ・カペラ・レイアル・デ・カタルーニャ、そしてル・コンセール・デ・ナシオンを立ち上げ、美と感情の世界を探求、創造し、世界中の何百万人という音楽ファンに感動を与えた。
サヴァールが音楽を担当したアラン・コルノー監督の映画「めぐり逢う朝」(1991年)のサウンドトラックはセザール賞を受賞、また、その活発な演奏活動および録音企画は、古楽がエリート趣味あるいは少数にのみ支持される音楽では無いことを証明しており、ファン層を広げ、若い聴衆の心をつかんでいる。
これまでに、仏ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジク誌の“ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー”、仏ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュジクの“ソリスト・オブ・ザ・イヤー”、スペイン“芸術金賞”、ウィーン・コンツェルトハウスの名誉会員を含む数々の名誉ある賞を受賞。またフランス文化省より芸術文化勲章オフィシエを授与されている。
サヴァールのサインが欲しくて買ってしまったCDです。3,000円の国内盤を買いましたが,ネットで1,290円の輸入盤を購入できる皆さんは幸せです。(キングさん,ごめんなさい。国内盤は日本語解説が付いているのでお薦めですよ!)
サヴァール/《人間の声》~無伴奏ガンバ作品集
1998年デジタル録音。カタロニア出身の名ガンバ奏者ジョルディ・サヴァールによる無伴奏作品を集めたアルバム。
アーベル、J.S.バッハ、マレ、サント=コロンブをはじめとする 作曲家のガンバ(チェロ)作品などから曲を選び、サヴァール自身が5つの組曲に再構成、それそれが様々な作曲家による3~5曲からなる組曲としているのが特徴です。
表題のマレ作曲《人間の声》に代表されるように、極めて人声に近いガンバの特徴を活かした演奏です。6弦の1550年ザネッティ製の楽器を3種類の調弦、7弦の1697年ノーマン製と、2つの楽器を使い分けています。
私はCDにサインをもらいません。日付を覚えておきたいので,コンサートのパンフレットにサインしてもらうことが多いです。
サインが終わった後,すっと手を差し伸べてぎゅっと握手してくれました。ううっ。
写真撮影は「可」だったんですよ。
追記:この日はNHKさんが映像収録をしていました。11月に放送されるそうです。