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Channel: 私が好きな曲(クラシック音楽のたのしみ)
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新 長岡鉄男の外盤A級セレクション(共同通信社)

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オーディオ評論家の長岡鉄男さん(以下敬称略)が亡くなったのは2000年(平成12年)5月29日のことで,あれは私にとって大変ショックな出来事でした。

長岡鉄男が書いた文章を読むのが好きだったのです。オーディオに関してではなく,録音に関してでもなく,エッセイ。「長岡鉄男のレコード漫談(計3巻)」「長岡鉄男のディスク漫談(計2巻)」(以上,音楽之友社)等からいろいろな影響を受けました。長岡鉄男の物の見方,考え方が好きだったのですね。



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長岡鉄男のレコード漫談
玉石混交のレコード紹介240
音楽之友社
昭和59年10月20日第一刷発行


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長岡鉄男のディスク漫談
玉石混交のディスク紹介201
音楽之友社
1989年10月15日第一刷発行


この記事のタイトルである「長岡鉄男の外盤A級セレクション」は,共同通信社から1984年7月16日に発売されました。「FM選書33 長岡鉄男の外盤A級セレクション 1」というタイトルでしたが,第1巻ということは,第2巻以降があるのでしょうか?

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長岡鉄男の外盤A級セレクション
共同通信社
1984年7月16日第1刷発行


この本,「レコード漫談」や「ディスク漫談」と異なり,エッセイの部分がなく,録音のよいレコードをひたすら紹介するだけの実用本位な本なので,私はあまり読んでいなかったのですが,この本が先月復刊されました。


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長岡鉄男の外盤A級セレクション
共同通信社
2013年8月17日第1刷発行


某インターネットショップで予約したのですが,一緒に注文した本の発売日が8月末であったため,届いたのは昨日でした。手にした第一印象は,ひと回り大きくなってずいぶん立派な本になったなということ。

この本で紹介されている100枚のレコードのジャケット写真が冒頭にカラーで掲載されています。レコードごとの目次が付いたのも便利です。どの頁にどのレコードが掲載されているのかすぐに調べることができるようになりました。以前は付箋紙が必要な本だったのです。

しかし,この本の最大の特徴は,100枚のLP音源の中から13トラックを収録したSACDハイブリッドディスク(サウンドサンプラー)が付属していることです。

紹介されている100枚のLPはクラシック音楽中心(99枚目はピンク・フロイド!)なのですが,結構マイナーというか,普通の人は買わないレコードが多いです。この中で私が持っているのは10枚ぐらいしかないかな。入手し難いったらありゃしない音源ばかり(かなりのLPがCD化されていないか,廃盤?)。

そういうわけで,付録のSACDハイブリッドディスクに興味を持ち購入しました。本自体は使いやすくなったものの,内容は全く変わっていませんからね。(「新」じゃないじゃん!)

このSACDの収録曲は以下のとおりです。

『ラ・スパーニャ』より
フランチェスコ・カノーヴァ・ダ・ミラノ:スパーニャ・コントラプント
トッレ:ダンサ・アルタ「ラ・スパーニャ」
ヴェラルディ:イストリア・ベティカ
 グレゴリオ・パニアグワ指揮、アトリウム・ムジケー古楽合奏団(BISSA1963)

アラブ・アンダルシアの音楽~ムッサダル
 グレゴリオ・パニアグワ指揮、アトリウム・ムジケー古楽合奏団(HMA195389)

サント=コロンブ:コンセール第44番「悲しみの墓」
 ジョルディ・サヴァール&ヴィーラント・クイケン(ヴィオール)(AVSA9885)

タランチュール=タランテラ~アンティドトゥム・タラントゥレー(毒蜘蛛の解毒)
 グレゴリオ・パニアグワ指揮、アトリウム・ムジケー古楽合奏団(JMXR24202)

J.S.バッハ:リュート組曲第4番変ロ長調 BWV.1010~プレリュード
 ホプキンソン・スミス(リュート)(E8938)

ペルゴレージ:スターバト・マーテル~ドロローサ
 ルネ・ヤーコプス指揮、コンチェルト・ヴォカーレ(HMA1951119)

C.P.E.バッハ: ファンタジア I
 インガー・グルディン・ブラント(クラヴィコード)(BIS142)

モーツァルト:幻想曲ニ短調 K.397
 ヨス・ヴァン・インマゼール(フォルテピアノ)(ACC10018)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 op.111~第1楽章
 パウル・バドゥラ=スコダ(フォルテピアノ)(XRCG30001)

超絶技巧トランペット~アレクシス:ソナチナ
 エドワード・タール(トランペット)(BIS152)

ジョン・ケージ:4人の奏者のための第2コンストラクション
 クロウマタ・パーカッション・アンサンブル(BIS232)


これが結構面白くてあっという間に聴き終えてしまいました。なるほど,優秀録音というのはこういうものかと再認識することができました。いやぁ,スゴイ! こんなに生々しく鮮烈な音がうちのステレオから出るなんてビックリです。LPで聴くのとでは若干異なる音質なのでしょうけれど,しっかり堪能できました。このSACDは私のオーディオチェック用ディスクとして活躍することでしょう。

この中で,録音演奏共に最も素晴らしいと私が思うものを1曲あげるなら,パウル・バドゥラ=スコダハンマーフリューゲルによるベートーヴェンのソナタ第32番でしょうか。



ところで,どうして長岡鉄男なのかというと,次の記事で書こうと思っている曲の録音状態が気になって長岡鉄男の「レコード漫談」で調べたところ,「(略)コレクションの中に本物は五枚しかなかった。もともとあまり好きな曲ではない。コケおどしのダサイ曲だ。すぐ飽きてしまう。せっせと集めるほどのものではない」と書かれていたのに笑ってしまったからです。

次回は(私はそう思っていないけれど)「コケおどしのダサイ曲」です♪
(の予定でしたが,後送りにします。次回は「コケおどしのダサイ曲ではありませんよ。9月5日)


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