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YAMAHA NS-2000ふたたび

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GoogleNS-2000を検索すると、
なんと拙ブログは3番目に登場します(私だけなのか?)。

それほどまでに有名になってしまった以上、もう一度 NS-2000について書かないわけにはいきません。

NS-2000 ってなに?という方のために簡単に解説しておきます。
まず最初に NS-1000M というヤマハの非常に有名なスピーカーがありました。海外の放送局が採用したほどです。

イメージ 1

YAMAHA NS-1000M
1974年発売
方式:3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット:低域用:30cmコーン型(JA-3058A)
中域用:8.8cmドーム型(JA-0801)
高域用:3.0cmドーム型(JA-0513)
再生周波数帯域:40Hz~20kHz
クロスオーバー周波数:500Hz、6kHz、12dB/oct
最低共振周波数:40Hz
インピーダンス:8Ω
出力音圧レベ:90dB/W/m
定格入力(JIS連続):50W
最大許容入力:100W
レベルコントローラー:中・高音、連続可変型
外形寸法:幅375x高さ675x奥行326mm
重量:31kg
¥108,000(1台、1978年頃)
¥119,000(1台、1993年頃)

国産スピーカーで、これほど多くの人が憧れ、購入し、愛用した製品はないのでは?
その一番の特長は中音用と高音用の振動板にベリリウムを採用していることです。ベリリウムを使うと何か良いことがあるの?という質問があるかもしれませんが、「ベリリウム合金は軽量かつ高剛性であることが特徴。チタンなど他の金属に比べ、音伝導性や硬さが約2.5倍、比重(軽さ)も非常に軽いという物理的性質」があり、スピーカーの振動板として最適なのです。B&Wは最高の素材として上位機種のツィーターにダイヤモンドを採用していますが、昨日お医者さんとオーディオ談義をした際、ダイヤモンドよりベリリウムのほうが上という結論に至りました。スコーカーにダイヤモンドは採用できないでしょうけれど、ベリリウムであれば可能です。
じゃあ全てのスピーカーはベリリウムにすればいいじゃん!と言われるかもしれませんが、それにはいろいろな大人の事情があり、とても難しいのです。そういうことにしましょう。
今でこそ1本10万円のスピーカーなんて珍しくありませんが、当時の私には高嶺の花でした。今でも程度の良い NS-1000M があったら入手したいと考えることがあります。うちの事務所のN君もほしいと言っていました。

2番目として NS-2000 を紹介します。

イメージ 2

YAMAHA NS-2000
方式:3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット:低域用:30cmコーン型(JA-3301)
中域用:8.8cmドーム型(JA-0802A)
高域用:3.0cmドーム型(JA-0526A)
再生周波数帯域:28Hz~20kHz
クロスオーバー周波数:500Hz、6kHz(-12dB/oct)
最低共振周波数:33Hz
インピーダンス:6Ω
出力音圧レベル:90dB/W/m
許容入力:125W
ミュージック許容入力:250W
レベルコントロール:中音:+3dB~-∞
高音:+2dB~-∞
外形寸法:幅440x高さ752x奥行404mm
重量:47kg
価格:228,000円(1台、1982年頃)

色が黒から茶になり、エンクロージャーが一回り大きくなって、重さがすごく増えました。しかし、なんといっても目を引くのが価格が倍になっているということです。つまり、それだけ手間をかけて(開発に8年)作られたスピーカーということです。

3番目に NS-1000X というスピーカーを紹介します。
イメージ 3

YAMAHA NS-1000X
方式:3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット:低域用:30cmコーン型
中域用:8.8cmドーム型
高域用:3.0cmドーム型
再生周波数帯域:39Hz~20000Hz
最低共振周波数:39Hz
クロスオーバー周波数:500Hz、6000Hz(12dB/oct)
出力音圧レベル:90dB/W/m
インピーダンス:6Ω
許容入力:100W
ミュージック許容入力:200W
外形寸法幅427x高さ695x奥行335mm
重量:42kg
価格:158,000円(1台、1986年頃)

NS-2000 で培った技術を投入して NS-1000M のモデルチェンジを行ったスピーカーと言うべきでしょうか。NS-1000M の音に慣れた人にとっては違和感があり、先代ほどの人気は出なかったようです。

最後はNSX-10000というスピーカーです。
NSの後ろに「X」の文字が付きました。ヤマハ創業100周年記念モデルという意味が込められた型番なのでしょう。

イメージ 4

YAMAHA NSX-10000
方式:3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット:低音用:33cmコーン型
中音用:8.8cmドーム型
高音用:3.0cmドーム型
再生周波数帯域:35Hz~20000Hz
クロスオーバー周波数:500Hz、5000Hz(12dB/oct)
最低共振周波数:35Hz
インピーダンス:6Ω
出力音圧レベル:90dB/W/m
定格許容入力:125W
ミュージック許容入力:250W
外形寸法:幅450x高さ752x奥行410mm
重量:54kg
価格:400,000円(1台、1987年発売)

グレード(値段)が高い順に、NSX-10000、NS-2000、NS-1000X、NS-1000M でしょうか。

それでは本題に入ります。

以前、オーディオの配置を変更したと書きましたが、これは機器の裏側を手軽にいじれるようにするためであり、先週から端子磨きを開始したのです。スピーカー(YAMAHA NS-2000)裏側のターミナルを清掃していたときのこと、グラグラするので締めようと思ってターミナルを回してみました。するとさらにグラグラになり、それ以上触るのはやめたのですが、そのスピーカーからは音が出ません。ターミナルの内側の線が外れてしまったのでしょう。

1時間考えた末、このスピーカーの特長のひとつであるピュア・ベリリウム製 8.8cm ハードドーム型スコーカーを外してみました。予想どおりぎゅうぎゅうにグラスウールが詰まっており、これを取り除かない限り、ターミナルの裏側に手が届きません。

次にピュア・カーボンファイバーコーン製の30cmウーファーを外してみましたが、グラスウールが幾重にも重なっていて、これを取り出すのは容易なことではありません、というか、グラスウールのせいで露出している腕や足が痒くなってきました。眼も痒いです。リビングルームで取り出し作業をやったら住めない家になりそうです。困りました。これだけのために47kg/本のスピーカーを修理に出すのも考え物です。

修理を出すのにも問題がありました。以前は(宅急便より大きくて重い物を送れる)ヤマト便でスピーカーを修理屋さんに送ったのですが、現在はピアノと同じ扱いで、送料がすごく高いのです。往復の送料でスピーカーが買えてしまいます。

前オーナーであるPさんの助言もあり、修理は(いつか)自分で行う(ダメなら潔く諦める)ことにしました。スピーカーの修理はこれまでにもやってきたし、今回は難しくないのでなんとかなると思いました。ただし、体が痒くなるグラスウールの問題が未解決です。

ピンチヒッターを務めるスピーカーが土曜日にやってきました。NS-2000 には、一時的に主役の座から降りてもらうため、スピーカースタンドからも降りてもらったのですが、これが重労働! 2本目のときには疲れからくる雑な作業をしてしまったため、スピーカーが私に向かって倒れてきて、怪我をするところでしたよ。女性だったら真剣に受け止めるのですが、NS-2000 では痛い思いをするだけです。

代替えスピーカーの箱を開けました。
イメージ 5


箱から取り出したところです。
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スピーカー・スタンドに乗せてみました。
NS-2000用なので大は小を兼ねていません。
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試聴しているところ(その1)
イメージ 8

試聴しているところ(その2)
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イメージ 10

Fostex GX-100BJ
形式:2Wayバスレフ型(クロスオーバー:1.8kHz)
使用ユニット :20㎜純マグネシウムリッジドーム形状振動板ツイーター(高音用)
        10㎝アルミニウム合金HR形状振動板ウーハー(中・低音用)
再生周波数帯域:55Hz~45kHz(-10dB)
出力音圧レベル:82dB/W(1m)(2.83V入力時83.5dB/1m)
インピーダンス:6Ω(最小値:4.27Ω at210Hz)
最大許容入力:100W
外形寸法:160(W)×262(H)×231.5(D)mm(グリル含む)
総質量:5.4㎏(グリル含む)

試聴する曲は決まっています。今回はこの順序で聴きました。

中島みゆき:彼女の生き方
D. スカルラッティ:ソナタ集(クリストフ・ルセ)
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ(ヨーヨー・マ)
バリオス:大聖堂(朴葵姫)
ラヴェル:弦楽四重奏曲(気分に応じて演奏者を選定)
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタニ長調(ムター&カラヤン/ベルリン・フィル)
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」(アンセルメ指揮)
ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」(シャイー/クリーヴランド管)
宇多田ヒカル:タイム・リミット~SINGLE COLLECTION VOL1

途中までは良かったのです。最新のスピーカーとはこのような音がするものかと感心しました。特にスカルラッティは、プレクトラムが弦を弾くのが目に見えるようで、小型2ウェイならではの定位の良さに感動しました。サン=サーンスは第1楽章第2部をいつも聴くのですが、こんなに小さいスピーカーからこんなに低音が出るものかと感激しました。

しかし、FM放送のニュースを聞いたとき、男性アナウンサーの声が軽く、胸声が響かないことで、低音不足を実感してしまいました。そうなると、サブウーハーが欲しくなります。それも1台ではなく左右2台分。そうなるとさらに20万円かかり、小型スピーカーを導入した、いくつかの意味が失われてしまいます。
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そんなとき、お医者さんのあの言葉を思い出しました。
ベリリウムは最高だよ! 最高だよ!最高だよ!最高だよ!!
NS-2000 をさっさと修理することに決めました!

手袋に靴下、トレーナーにヨットパーカー、防塵用メガネに二重のマスクで完全武装します。これは写真がありません。この姿で外に出たら怪しい人と間違えられます。なお、自撮りをしなかったので画像はありません。

横に倒すのが最も作業しやすいという結論に至りました。
寝かせるのに一苦労。赤ちゃんと一緒です。いや、違うって。
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ウーハーを外しました。
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諸悪の根源であるグラスウールも取り出します。
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高級スピーカー(当時)なのに、線材が細いです。
ターミナル内部で線が外れたのではなく、断線していました。
これはショック!
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エンクロージャー内で、手探りで線を覆っているビニールを取り除き、再接続するなんて無理です。線が短くて外に出せないのです。
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しかし、やれば出来るもので、修理は完了しました。
はんだ付けすればよかったなと後で少し後悔……。
完全武装のため、体が汗びっしょりで早くお風呂に入りたかったのです。
ウーハーを取り付けて完成!
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修理は完了しましたが、新たな問題もあります。

スピーカーの配置です。

これは書き始めると大変なことになるので、今回は書きませんが、お医者さんが言うには、ホワイトノイズが最も澄んで聴こえる配置(スピーカーの置き場所)を探すのだそうです。

少し配置を変えたぐらいでは私には同じ音に聴こえます。難しい……。

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