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Channel: 私が好きな曲(クラシック音楽のたのしみ)
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バルトーク「弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽」の名盤【前編】

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ハンガリー生まれの作曲家,バルトーク・ベーラ・ヴィクトル・ヤーノシュ(1881年-1945年)は,20世紀を代表する作曲家ですが,あまり聴かれていないような気もします。そこで今回はバルトークの管弦楽曲にしようと考えたのですが,彼の管弦楽曲でCDに収録されることが多い曲といえば,こんなところでしょうか。

バレエ「かかし王子」 (1914年-1916年、1931年改訂) Op.13 Sz.60
パントマイム「中国の不思議な役人」(1918年-1924年、1931年改訂) Op.19 Sz.73
舞踏組曲 (1923年) Sz.77
ハンガリーの風景 (1931年) Sz.97
弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽(1936年) Sz.106
弦楽のためのディヴェルティメント (1939年) Sz.113
管弦楽のための協奏曲 (1943年) Sz.116

おそらくこの中で最も人気がある曲は「管弦楽のための協奏曲」でしょう。でも,私の好みは「弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽」なので,今回は「弦チェレ」を取り上げたいと思います。

バルトーク・ベーラ
弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽 Sz.106
Music for Strings, Percussion and Celesta, Sz.106
 1. Andante tranquillo
 2. Allegro
 3. Adagio
 4. Allegro molto

まずこの曲名に惹かれました。なんだか楽しそうじゃないですか。楽器編成が面白いですよね。

弦楽器:
 第1グループ:第1,2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバス
 第2グループ:第1,2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバス
 それと,ハープ
打楽器:
 木琴,スネア付きドラム,スネア無しドラム,シンバル,タムタム,バスドラム,
 ティンパニ,ピアノ(←打楽器?)
チェレスタ

以上からも明らかなように,左右に2群の弦楽合奏を配し,中央にピアノ,チェレスタ,打楽器,ハープを置きます。そういう曲なので,ステレオ録音が優位であり,モノラルはちと苦しいです。

この曲は,20世紀に書かれた管弦楽曲の中でもトップ・クラスの名曲だと思うのですが,じゃあどこが素晴らしいかというと,血がざわざわ騒ぐものがあるというか,うまく書くことができないので,日本楽譜出版社さんの解説を勝手に引用しちゃいます。

ラの単音から静かにフーガが始まり、中央で数オクターブに渡るミのフラットが朗々と響き渡り最後は再びラの単音で音楽が消えていく、という鏡像構造を実現した第1楽章。短3度音程の組み合わせから動機や楽曲構造を形作っている生き生きとしたアレグロの第2楽章。バルトークのトレードマークとも言える「夜の音楽」の上でシロフォンやチェレスタ、ピアノ、ティンパニがソリスティックな役割を果たす第3楽章。3楽章までの要素をさらに生かしながら緻密に、けれどダイナミックに音楽が展開されていくアレグロ・モルトの第4楽章・・・どの楽章をとっても魅力的な音楽が詰まっています。

2群に分けられた弦楽五重奏のステレオ効果や、各楽器に動機を積み重ねていくことで生まれている思わぬ和音の秘密や、あちらこちらに隠されている黄金比の楽曲構造など、単にCDで聞いているだけではなかなか窺い知れない作曲家の秘密がたくさんある曲です。
(以下略)

たとえば,この曲の第1楽章は,音楽のまとまりごとの各小節数がフィボナッチ数列となっているのですが,だからどうした?ということになりそうなので,これ以上の楽曲解説は省略します。手抜きはいつものこと。

James Levine
Chicago Symphony Orchestra

Bela Bartok - Music for Strings, Percussion and Celesta, I

Bela Bartok - Music for Strings, Percussion and Celesta, II

Bela Bartok - Music for Strings, Percussion and Celesta, III

Bela Bartok - Music for Strings, Percussion and Celesta, IV

それで,いつもならここから名盤のご紹介をさせていただくのですが,もう日曜日の夜なので,今日はここまでにしたいと思います。無理すれば書けないこともないのだけれど,今日はもう疲れました。


つづく!


7月20日(土)

原作・脚本・監督:宮崎駿の「風立ちぬ」を観てきました。
宮崎駿監督は,企画書に,
 リアルに,
  幻想的に,
   時にマンガに,
    全体には美しい映画をつくろうと思う。
と書いていましたが,まさにそのとおりの映画でした。

まだ観ていない人が多いと思いますので,詳しくは書かないほうがよいでしょう。

私はたぶんもう一回観にいくと思います。皆さんもどうぞ。お薦め♪



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