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Channel: 私が好きな曲(クラシック音楽のたのしみ)
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再びクラシック音楽を聴き始める

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先週の金曜日は、喉が痛かったのです。早めに仕事を切り上げ、しかし帰宅せず、S社のTさんと上野でご一緒してしまいました。お会いしたのは10年ぶりくらいでしょうか。時が経つのが早い年齢になってしまいました。

翌日の土曜日、起きた瞬間、風邪をひいているのがわかりました。熱っぽいし、喉は痛みを増しています。お医者さんに行って薬をもらい、日曜日も家で大人しくしていました。

寝たり起きたりの生活でしたが、起きているときに音がないのはさびしい。しばらく前からクラシック音楽を聴きたくないモードになっているので、ジャズを聴いていました。それもピアノ・トリオばっかり。

私が聴くピアノ・トリオは、いわゆるジャズの名盤、または寺島靖国さんが何かの本で褒めていたCDばかりで、ご紹介するまでもないのですが、とにかくひたすら聴きまくっていました。

以前はピアノ・トリオのCDをせっせとネット・ショッピングで集めていた時期がありましたが、今は聴きたいCDをSpotifyなどで簡単に聴けるようになりました。便利な世の中になったものです。

そして月曜日。風邪が治っていません。この日は午後からずっと会議なのです。数分で決めました。今日は「自宅作業」の日にしようと。明日、S市に提出しなければならない書類があるから、それを作っちゃおう。

ピアノ・トリオを聴きながらせっせと仕事をしていました、が、何が私に降りたのか、突然CDのストップ・ボタンを押し、BGMをクラシック音楽に変更しました。

曲は、ドビュッシーの前奏曲集第1巻・第2巻。ピアノはモニク・アースです。久しぶりに聴くドビュッシーのピアノ曲に思わず聴き惚れてしまいました。

続きは、ラヴェルのピアノ曲全集で、まずミケランジェロ・カルボナーラのCD、そしてスティーヴン・オズボーン、今はロベール・カサドシュです。仕事の能率が上がります。

ラヴェルのピアノ曲全集で持っているCDはいずれも名演ばかりなのですが、カサドシュ盤は1951年のモノラル録音なので、あまり聴き返すことがありませんでした。しかし、これが良かった。どう良かったのかをうまく書くことができないのですが、どの曲もそれにふさわしい表現がなされていて、聴いていて心地よかったのです。いや、「水の戯れ」はテンポが速すぎるかな。

移動時間中もラヴェルのピアノ曲を聴いていました。レコード芸術6月号(特大号という割には往年の厚みに至らない頁数)の「定番名曲 平成の名盤(この特集は曲が限定され過ぎているものの選ばれているCDはどれも聴いてみたいと思えるものばかりで上出来と思います。)」でも紹介されていたロジェ・ムラロ(ミュラロ)の録音。しかし、これは私のラヴェルに対する思いとちょっとイメージが違う感じ。ファツィオリという楽器のせいか、線が細く感じられるのが苦手。

続けて往年の名ピアニスト、サンソン・フランソワもつまみ食いしてみたのですが、以前は名演と思えていたのが今回は大味な演奏に聴こえてしまう始末。

(ここで上原ひろみの「Another Mind」に浮気し、この頃のHIROMIのエネルギーの凄まじさに圧倒されました。)

帰宅してからの約1時間は、ピエール=ロラン・エマールのピアノで、ドビュッシーの前奏曲集第1巻・第2巻を。これは2012年度のレコード・アカデミー賞大賞銀賞で、先述のレコ芸でも第1位に選出されている名盤です。これは精緻な演奏でとても良かった。少なくともこれを聴いている間は、これが最高の演奏ではないだろうかと思ったくらい。さすが、ブーレーズやリゲティに認められた人は違う。これはお薦めです。

電車の中で、ヘッドホンで聴くよりも自宅のオーディオ装置で聴くほうが、ゆったりとした気持ちで聴けますので、そのせいもあったのかもしれません。

ドビュッシーの前奏曲集第1巻・第2巻では、クリスティアン・ツィメルマンもお気に入りのCDです。こちらはもっとかっちり弾いていて、ピアノに適度な重量感があり、安心して音楽に身を任すことができます。私が最も信頼しているピアニストの演奏だけのことはありました。

そして今は青柳いづみこさんのピアノで「ドビュッシーの時間」というアルバムを聴いています。ドビュッシーへの愛が感じられる素敵なピアノを堪能できます。(追記:青柳いづみこさんのドビュッシーを聴いてみたいという人には、「ロマンティック・ドビュッシー」というアルバムをお薦めします。そちらのほうが「ベルガマスク組曲」とか収録されていて、馴染みやすい選曲になっていますので。)

久しぶりにクラシック音楽を聴いたという報告の記事でした。

なお、風邪は水曜日になっても治っていません。ごほん、ごほん。


イメージ 1
モニク・アース(ドビュッシー)

イメージ 2
ミケランジェロ・カルボナーラ(ラヴェル)

イメージ 3
ロベール・カサドシュ(ラヴェル)

イメージ 4
ロジェ・ミュラロ(ラヴェル)

イメージ 5
サンソン・フランソワ(ラヴェル)

イメージ 6
上原ひろみ(アナザー・マインド)

イメージ 7
ピエール=ロラン・エマール(ドビュッシー)

イメージ 8
クリスティアン・ツィメルマン(ドビュッシー)

イメージ 9
青柳いづみこ(ドビュッシー)

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